共同研究・競争的資金等の研究 - 藤原 正澄
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高信頼ナノ温度測定のための多重化量子センシング温度計の実現
研究課題/領域番号:20KK0317 2021年 - 2023年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
藤原 正澄
配分額:14040000円 ( 直接経費:10800000円 、 間接経費:3240000円 )
本国際共同研究では、蛍光ナノダイヤモンドを用いたナノ温度測定を異なる測定原理にもとづく複数の測定モードで同時に行うマルチモーダル温度量子センシング技術を開発する。これにより、ナノ温度計測において障壁となる測定アーティファクトを削減し、高い信頼性を有する生体内温度計測として基課題に技術移植し、生体内一細胞温度のより精密な定量を実現する。外国研究者としては、蛍光寿命量子センシングハイブリッド技術を有するBenson教授(独国)がホスト研究者として参画する。また、微細加工や補償光学実装に関して、Schroeder博士(独国)・Patton博士(英国)が協力者として参画する。
2021年2月に交付内定を受けた後、所属大学における学内調整の結果、2021年度に交付申請・決定となった。今年度は、上記共同研究者らと研究や渡航に関してメールやオンライン会議形式で議論・調整を行った。
また、蛍光ナノダイヤモンドの電子スピン計測に用いるマイクロ波照射系の開発が進展した。マイクロ波照射アンテナをガラス基板上に有限要素法により設計し、作製することで、蛍光ナノダイヤモンドのスピン信号を定量的に予測可能となった。この成果は、デバイス研究における世界的雑誌のLab on a Chipに受理され、現在出版準備中である。今後、より効率的で正確な温度計測が可能となると期待される。 -
蛍光ダイヤモンドナノ粒子を用いたポリマーナノ構造精密温度計測
2020年10月 - 2022年03月
公益財団法人マツダ財団 マツダ研究助成
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生体内一細胞温度計測による定量熱生物学の開拓
研究課題/領域番号:20H00335 2020年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
藤原 正澄
配分額:45240000円 ( 直接経費:34800000円 、 間接経費:10440000円 )
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トポロジカル励起スピン制御によるπラジカル材料のエレクトロニクス素子への展開
研究課題/領域番号:20H02715 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
手木 芳男, 藤原 正澄, 松下 未知雄, 鐘本 勝一, 仕幸 英治, 吉田 考平
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
ペンタセンは、結晶状態での高いホール伝導度と薄膜化の容易さのため有機半導体素子への応用が期待されているが、可視光による劣化と有機溶剤に対する難溶性が素子作製や実用化の大きな障害となっていた。代表者らは、ペンタセン類にπラジカルをπ共役で付加することによりペンタセン類の光耐久性と溶解度が著しく向上することを報告してきた。本研究課題は上記のこれまでの知見に立脚し、(1)トポロジカル励起スピン制御による高い光耐久性と機能性を有するπラジカルの創生、(2)新規πラジカル材料を用いた有機エレクトロニクス素子への展開の2課題を密接に関連させながら並行して研究を遂行した。
πトポロジーを利用した励起状態制御に立脚してTIPS(triisopropylsilylethynyl)基と安定ラジカル置換基をそれぞれ1つずつ持つ2種のペンタセン-ラジカル連結系を合成し、電子スペクトル、電子スピン共鳴(ESR)、等により同定し、その光耐久性を調べた。さらに、それらの参照試料となるTIPS-ペンタセンの薄膜試料を独自設計の櫛型電極上に真空蒸着により作成し、その励起状態ダイナミクスと光電流生成機構を、光電流と電気的検出磁気共鳴(EDMR)信号の温度変化測定により明らかにした。また、ペンタセン-ラジカル連結系の電界効果トランジスタ(FET)性能の評価に向けて、特注櫛型電極を試作し、それを用いてTIPS-ペンタセンの薄膜試料のFET性能の評価を行い、文献との比較により当研究室でのFET性能評価の基盤を構築した。また、このFET素子と自作の回路を組み合わせることにより、ゲート電極に電界印加条件下でのTIPS-ペンタセンの薄膜試料の光電流のEDMR測定にも成功した。これらにより(2)の課題の実現に向けた基礎的知見を得た。 -
神経磁場3次元定量計測による線虫の温度感受性メカニズム解明
2020年04月 - 2021年03月
公益財団法人 渡邉財団(旧磁気健康科学研究振興財団) 磁気健康科学研究助成金
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超安定単一蛍光ナノ粒子in-situ観察によるナノスケール流体力学の新展開
2019年06月 - 2021年03月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
藤原 正澄, 遠藤 達郎
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
本研究では、バルク流体力学が適用不可能なナノスケールでの流体挙動を、プローブナノ粒子を用いてその場でリアルタイムに観測する事で、これまで観測が困難であったナノ空間中の流体挙動を実験的に明らかにする事を目的とする。そのために、代表者らが実現した蛍光ダイヤモンドナノ粒子の並進、および、回転ブラウン運動計測を、脂質二重膜でシールしたナノ細孔中の粒子に適用して、ナノスケールの流体挙動を計測する技術を確立する。本手法は、これまで有効な手法が乏しかったナノ空間の流体挙動をその場観察する革新的な計測技術として、高い挑戦性と価値を有する。
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超精密温度計測による幹細胞分化時の生理学的活性化状態の検出
2018年11月 - 2019年11月
民間企業 公益財団法人 住友財団 2018年度基礎科学研究助成
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量子センサ型in vivo温度計測顕微鏡の開発
2018年07月
民間企業 公益財団法人 村田学術振興財団 研究助成
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ナノ光ファイバを用いた液中での高効率蛍光集光の実現
2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
藤原 正澄
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:18330000円 ( 直接経費:14100000円 、 間接経費:4230000円 )
本研究は、高効率蛍光集光デバイスである「ナノ光ファイバ」にプラズモニック構造を形成する事で、水溶液中でも高い蛍光集光効率を実現し、化学分析デバイスとしての応用を開拓するものである。大きな電場増強効果と光導波路との高い入出力効率を有する金ナノチップ構造をナノ光ファイバ先端に形成する。チップ先端を近接させる事で一分子からの蛍光を効率的に光ファイバに結合させるため高効率で蛍光集光が可能である。これを試料溶液などに挿入すれば、微弱蛍光やラマン散乱を容易かつ高感度に測定可能な化学分析デバイスとして利用できる。
H29年度は現有のナノ光ファイバ作製装置を改造して、加熱領域が延伸中に変化させられるようにした。具体的には、酸水素バーナーがファイバ軸方向に動いて加熱領域が延伸中に変化させられる加熱システムを構築した。このシステムはLabViewによりモーション制御している。延伸中に自在に加熱領域を制御できるシステムを実現 -
ナノ光ファイバニードルによる超高感度ラマン散乱検出と一細胞機能計測
2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
藤原 正澄, 湯川 博
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
本研究は幹細胞の分化やがん化などに繋がる細胞の動態をリアルタイムで安定的かつ超高感度にプローブ可能な、ナノ光ファイバニードル型超高感度ラマン散乱計測技術を開発する事を目的とする。先鋭化した光ファイバ先端からラマン散乱を観測する光ファイバ検出法は開発されてきたが、検出効率は顕微鏡ラマン測定より大幅に低く、実用的ではなかった。本研究では、申請者らが独自に開発したナノデバイスであるナノ光ファイバを、ニードル形状に加工して利用し、従来型ファイバラマン検出を凌駕する感度を実現する。これを幹細胞に挿入し、細胞内でのラマン信号を超高感度に検出する。本提案は、臓器内の単一細胞診断などの革新的バイオ医療分析手法につながるセンシング手法である。
この目的のために、今年度は①細胞挿入に適したナノ光ファイバ作成のためのファイバ作製装置、および、作製条件の決定を行った。また、ラマン散乱以外にも蛍光センシングプローブ -
研究課題/領域番号:26706007 2014年 - 2016年
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(A)) 若手研究(A)
藤原 正澄
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:20020000円 ( 直接経費:15400000円 、 間接経費:4620000円 )
本研究では、ダイヤモンド窒素欠陥中心の蛍光強度が周辺の磁場で変化する事を利用して、微小領域における微弱磁気を室温・大気中でも高感度に計測する走査型磁気センシング顕微鏡の開発を行った。主要な成果として、(1)代表者の独自技術であるナノ光ファイバをベースとしたダイヤモンド磁気センサを開発した。(2)ダイヤモンドナノ粒子のセンサ性能向上メカニズムを表面終端の観点から定量的に解明した。(3)実応用として、細胞内の計測や単一ナノ粒子の回転挙動検出に成功した。これらの成果により、磁気量子センシング、および、磁気走査プローブ顕微鏡の基盤技術が確立すると共に、新たなセンシング応用が実現された。
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ナノダイヤモンド配列センサを用いた高感度光熱顕微分光リアルタイムイメージング
研究課題/領域番号:26610077 2014年 - 2015年
文部科学省 科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究) 挑戦的萌芽研究
藤原 正澄
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
本研究は、微小空間における熱分布をリアルタイムで可視化する光熱顕微イメージング法の実現を目指すものである。ダイヤモンド窒素欠陥中心が示す電子スピン信号変化からナノ環境の温度計測が可能である。本研究ではNV 中心を用いて高感度に温度計測(すなわちスピン計測)を行う技術を開発した。開発したパルススピン計測技術を用いて、ダイヤモンドナノ粒子に含まれるNV中心の電子スピン特性を評価し、表面処理によってその向上を目指した研究を行った。また、ナノ結晶をガラス基板上に高密度配列する事に挑戦し、数10マイクロメートルスケールでの配列パターンを実現した。
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研究課題/領域番号:25620001 2013年 - 2015年
文部科学省 科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究) 挑戦的萌芽研究
岡本 亮, 藤原 正澄
担当区分:連携研究者 資金種別:競争的資金
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
本研究では、1分子の光吸収スペクトル測定の実現を目指し、量子的な光を用いた計測法に着目、研究を進めた。まず、量子光源を構築、量子光のファイバーへの高いカップリング効率を実現した。また、古典/量子ハイブリッド系の実現に向けて、吸収顕微鏡を構築、非蛍光分子の光吸収検出に成功した。さらに、光子検出器の検出効率の影響を受けない新しい手法の提案に至った。以上のように、1分子の光吸収スペクトル測定の実現に向けた様々な研究成果を得ており、今後は、構築した量子光源と吸収顕微鏡を組み合わせてさらに研究を発展させる予定である。
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研究課題/領域番号:23740228 2011年 - 2013年
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 若手研究(B)
藤原 正澄
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究は、ナノ光導波路による輻射場制御効果を用いて単一分子の吸収断面積を飛躍的に増大させ、非蛍光分子のための「光吸収検出型単一分子分光法」を開拓する事を目的とする。本研究の主要な成果として、(1)ナノ光ファイバ表面に配置された量子ドットとナノ光ファイバの導波モードが7.4%の結合効率を有する事を示した。これは、室温でも0.1%程度の単一分子吸収が期待される値である。(2)ナノ光ファイバと他のナノ構造体が結合した系において、分子の遷移双極子と導波モードの結合効率を数値計算によって詳細に研究した。(3)そして、これらの知見を元に、窒化シリコンを用いた中空型導波路デバイスの試作に成功した。
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微小球光共振器を用いた光合成光捕集蛋白の超高感度単一分子分光
研究課題/領域番号:21840003 2009年 - 2010年
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(スタートアップ), 研究活動スタート支援) 若手研究(スタートアップ), 研究活動スタート支援
藤原 正澄
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2639000円 ( 直接経費:2030000円 、 間接経費:609000円 )
光合成色素蛋白複合体の超高感度単一分子分光に向けて、微小球共振器やナノ光ファイバに代表されるナノ光デバイスを用いた超高感度蛍光検出技術の確立を行った。その結果、(1)単一光合成蛋白の共焦点顕微鏡観察に室温下で成功した。(2)ナノ光ファイバによる単一量子ドット蛍光観察に成功し、集光効率が全発光量の6.6%と非常に高い値である事を示した。これらはナノ光デバイスを用いて光合成蛋白の蛍光検出が4倍の感度で測定可能である事を示唆している。
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微小球光共振器を用いた光合成光捕集蛋白の超高感度単一分子分光
研究課題/領域番号:21840003 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
藤原 正澄
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2639000円 ( 直接経費:2030000円 、 間接経費:609000円 )
光合成色素蛋白複合体の超高感度単一分子分光に向けて、微小球共振器やナノ光ファイバに代表されるナノ光デバイスを用いた超高感度蛍光検出技術の確立を行った。その結果、(1)単一光合成蛋白の共焦点顕微鏡観察に室温下で成功した。(2)ナノ光ファイバによる単一量子ドット蛍光観察に成功し、集光効率が全発光量の6.6%と非常に高い値である事を示した。これらはナノ光デバイスを用いて光合成蛋白の蛍光検出が4倍の感度で測定可能である事を示唆している。
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テラヘルツ電磁波発生への応用を目指した有機非線形光学結晶の開発とその物性評価
2007年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
藤原 正澄
担当区分:連携研究者 資金種別:競争的資金
配分額:1800000円 ( 直接経費:1800000円 )
テラヘルツ電磁波発生に有用な非線形光学結晶の開発に向けて、N-benzyl 2-methyl 4-nitroaniline(BNA)結晶に着目して研究を行った。昨年度の研究成果から、より大型のBNA結晶がTHz波発生に適している事が明らかになったので、結晶の大型化を目指した。その結果、これまでよりも大きな結晶が得られる結晶成長条件を発見し、効率的な大型結晶成長技術を実現した。THz波の常温検出器による検出が可能なレベルまでTHz波強度の増大が実現しており、今後、議論を深めて論文投稿の予定である。
さらにテラヘルツ波発生に用いられる有機非線形光学材料は大きな非線形性と共に、超高速光学応答を示す事が知られており、物質の非線形性の起源を解明するためには超高速分光や非線形光学分光による光物性学的な研究が不可欠である。昨年度、有用なπ共役電子系非線形光学材料であるβ-カロテンの共役鎖長が異なる一連の誘導体を有機化学合成法により調製し、非線形光学応答のポリエン型π電子共