研究者詳細 - 笠原　成

⁷⁷Se‐NMRによる鉄系超伝導体Fe(Se_1-xS_x)系物質の研究

SHI A, 北川俊作, 石田憲二, 綿重達哉, 笠原成, 松田祐司

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.14aJA‐5 2016年9月

Fe(Se,S)純良単結晶における電子線照射による影響

水上雄太, 松浦康平, KONCZYKOWSKI Marcin, 綿重達哉, 笠原成, 松田祐司, 芝内孝禎

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.15pJA‐8 - 2180 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

鉄系超伝導体FeSeは90Kで正方晶から直方晶へ構造相転移を起こし、更に9Kで超伝導状態へ転移する。この物質は他の鉄系超伝導体とは異なり構造相転移に伴う反強磁性転移を示さない為、鉄系超伝導体を理解する上で重要な物質と考えられる。この系においてSeサイトを等価数元素であるSで置換することで構造相転移温度が抑制される一方、超伝導転移温度はあまり変化しないことが報告されている。今回は、Fe(Se,S)に対し電子線照射を用いた不純物導入を行った。講演では、構造相転移温度や超伝導転移温度の変化について報告したい。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_2180

分光イメージングSTMで見たFe(Se,S)の超伝導とネマティシティ

花栗哲郎, 綿重達哉, 幸坂祐生, 岩谷克也, 町田理, 笠原成, 芝内孝禎, 松田祐司

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.15aJA‐13 - 2035 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

FeSeは電子状態の面内異方性（ネマティシティ）と超伝導が共存し、両者の関係に興味が持たれている。本研究では、SeをSで一部置換してネマティシティを弱めた試料に対して分光イメージングSTMを行い、準粒子干渉効果と超伝導ギャップの観測を行った。FeSeとFe(Se,S)の結果を比較することにより、ネマティシティと超伝導の関連について考察する。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_2035

鉄系超伝導体FeSe_1-xS_xの超音波測定

納口昇也, 赤坂直哉, 堀越啓太, 石塚紘晃, 中村光輝, 中西良樹, 綿重達也, 笠原成, 芝内孝禎, 松田祐司, 吉澤正人

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.14aPS‐60 - 1896 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

2008年に発見された鉄系超伝導体は、現在、世界中で盛んに研究が行われている。今回、我々は鉄系超伝導体FeSeと一部のSeをSに置き換えた11系鉄系超伝導体の弾性定数の温度依存性を測定したので報告したい。前回の我々の測定ではC66の弾性定数の温度依存性に大きな弾性異常があることを確認できたため、今回は異なるモードでの測定を行った。発表では、我々のグループがこれまでに行ってきたFe(Te,Se)の結果と比較しながら議論を行う。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_1896

鉄系超伝導体FeSeの圧力下電子相図に対する化学置換効果

松浦康平, 新井佑基, 水上雄太, 綿重達哉, 笠原成, 上床美也, 松田祐司, 芝内孝禎

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.15pJA‐4 - 2176 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

鉄系超伝導体FeSe_1-x_S_x_の純良単結晶試料において圧力下電気抵抗測定を行った結果、近年報告されたFeSeの圧力下電子相図に見られるようなドーム状の反強磁性相が存在し、このドームの両端で超伝導転移温度が上昇する振る舞いが見られた。講演では、FeSeの圧力下電子相図と比較して、化学置換の圧力下電子相図に与える影響から、ネマティック相とドーム状の反強磁性相の超伝導との関係を議論したい。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_2176

鉄系超伝導体FeSe単結晶の強磁場下での熱ホール効果

綿重達哉, ARSENIJEVIC S, 笠原成, 山下卓也, 寺澤大樹, 大西隆史, 常盤欣文, 笠原裕一, 芝内孝禎, WOSNITZA J, 松田祐司

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.13pJA‐10 - 1773 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

今回、我々は鉄系超伝導体FeSe単結晶の熱伝導率および熱ホール係数の測定を0.3 K、20 Tの低温・強磁場領域まで行った。その結果、超伝導相の内部で熱伝導率および熱ホール係数にも異常が現れ、先行研究と同様に、通常の超伝導相とは違う別の超伝導相が低温強磁場領域で実現していることを確認した。当日は本研究結果及び、この低温強磁場領域の超伝導状態について議論する予定である。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_1773

CeRhIn₅/CeCoIn₅ハイブリッド超格子における圧力下強結合超伝導状態の実現

成塚政裕, LUO Y, ROSA P.F.S, 石井智大, 鳥井陽平, RONNING F, BAUER E.D, THOMPSON J.D, MOVSHOVICH R, 下澤雅明, 笠原成, 常盤欣文, 笠原裕一, 芝内孝禎, 寺嶋孝仁, 松田祐司

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.14pJD‐3 - 2000 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

量子臨界点近傍ではゆらぎの効果によって非自明な相が現れる。これまで、重い電子系d波超伝導体CeCoIn_5_とスピン密度波反強磁性体CeRhIn_5_を繰り返し積層させたハイブリッド超格子において、層厚の変化による次元性制御が行われてきた。今回新たに、圧力による基底状態制御を行い、系を量子臨界点にファインチューニングすることに成功した。上部臨界磁場の測定から、母物質は強いパウリ常磁性効果を持つにもかかわらず、ゼーマン効果による対破壊が全く現れない特異な超伝導状態の実現が示唆された。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_2000

単結晶BaFe₂(As_1-xP_x)₂における量子臨界点付近でのNMR測定

河村健志, 北川俊作, 石田憲二, 笠原成, 松田祐司, 寺嶋孝仁

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.14aJA‐3 - 1837 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

BaFe_2As_2は140 Kで構造相転移を伴って反強磁性状態に磁気相転移する。この物質では同価数の元素のドープや圧力を加えることで磁性が抑えられ、量子臨界点付近に超伝導状態が現れることが知られている。我々はAsの一部をPで置換した試料を用いた実験を行っている。これまでに多結晶体で、P量を変えると、x=0.3で反強磁性ゆらぎと超伝導状態が密接に関係していることが観測できている。発表では、新たに単結晶試料のBaFe_2_(As_1-x_P_x_)_2_で行ったPサイトのNMR測定から得られた磁気ゆらぎの異方性などを報告する予定である。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_1837

レーザー角度分解光電子分光によるFeSeの軌道秩序状態における超伝導ギャップ異方性の観測 2

橋本嵩広, 大田由一, 山本遇哲, 鈴木裕也, 下志万貴博, 渡部俊太郎, CHEN C.‐T, 綿重達哉, 小林遼, 笠原成, 松田祐司, 芝内孝禎, 岡崎浩三, SHIN S

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.15aJA‐6 - 2028 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

鉄系超伝導体FeSeは軌道秩序形成に伴い、フェルミ面形状が4回対称から2回対称へと変化する様子が過去の角度分解光電子分光から報告されている。前回の発表では、入射光の偏光依存性を利用したレーザー角度分解光電子分光により、このような楕円フェルミ面における超伝導ギャップ異方性について報告した。今回の発表では、さらに楕円フェルミ面の長軸端近傍における超伝導ギャップ異方性を詳細に測定した結果を中心に報告する。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_2028

重い電子系超伝導化合物CeCoIn₅と反強磁性化合物CeRhIn₅の人工超格子CeCoIn₅/CeRhIn₅のNMR

仲嶺元輝, 山中隆義, 北川俊作, 石田憲二, 石井智大, 成塚政裕, 鳥井陽平, 下澤雅明, 笠原成, 常盤欣文, 笠原裕一, 芝内孝禎, 寺嶋孝仁, 松田祐司

日本物理学会講演概要集(CD-ROM) 71 ( 2 ) ROMBUNNO.15aPS‐9 - 2076 2016年9月

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本物理学会

近年、京都大学の松田・寺嶋グループにより重い電子系の人工超格子が作成され興味を集めている。この人工超格子では、重い電子系超伝導の2次元化や、界面での近接効果などの興味深い現象が期待できるだけでなく、化合物の組み合わせという自由度も加わり新たな強相関電子系の研究の場を提供したといえる。また我々は、微視的測定手段であるNMRを用いて、人工超格子の各ブロック層の電子状態を調べている。今回重い電子系超伝導体と重い電子系反強磁性体からなるCeCoIn_5_/ CeRhIn_5_人工超格子の超伝導のCeCoIn_5_層に注目して研究を行った。発表ではその詳細を報告する。

DOI： 10.11316/jpsgaiyo.71.2.0_2076