共同研究・競争的資金等の研究 - 宮本 祐樹
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可搬性と自動化を追求した青色半導体レーザーベースの分子分光システムの開発
研究課題/領域番号:23K03277 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
榎本 勝成, 宮本 祐樹
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
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パリティ非保存測定を目指した極低温超高精度分子分光システムの構築
研究課題/領域番号:22H01249 2022年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宮本 祐樹, 榎本 勝成, 久間 晋, 岩國 加奈
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
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量子固体中の分子を標的とした新しいアクシオン探索手法の原理検証
研究課題/領域番号:19H04616 2019年06月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
宮本 祐樹
配分額:16900000円 ( 直接経費:13000000円 、 間接経費:3900000円 )
暗黒物質の探索は現代物理学の重要な課題の一つである。暗黒物質の有力な候補としては、超対称性粒子(SUSY)などのWIMP(weakly interacting massive particles)、そしてアクシオンなどが挙げられてきた。しかしTeV程度の質量をもつSUSYの存在はCERNにおける高エネルギー陽子陽子衝突実験により否定されつつ あり、大規模地下実験が精力的に行われているWIMPに関しても、兆候は見られていない。アクシオン探索も世界中で行われているが、理論が予測するパラメータ領域まで感度のある実験が現時点では少なく、探索されたパラメータ領域も狭い。逆説的に、暗黒物質の候補として依然有力である。このような背景のもと、アクシオン探索の新たな手法として原子・分子エネルギー準位間のコヒーレントな遷移を用いる実験が提案されている。本課題は固体中の原子・分子の準位を標的として行うアクシオン探索の原理検証を行うものである。
本課題では当初、固体水素中の分子を標的とすることを計画していたが、その後の理論的な検討により、誘電体中のランタノイドイオンが標的として浮上した。そこで初年度にはエルビウムイオン(Er)がドープされたイットリウムオルソケイ酸(Y2SiO5)結晶を標的とした基礎的な分光実験を行った。この系は位相緩和が固体であるにもかかわらず非常に長い(ミリ秒)ことで知られているもので、本研究における標的の有力な候補の一つである。本年度は初年度の研究の延長として結晶中のエルビウムイオンのコヒーレント現象の観測により、固相コヒーレント現象の理解の深化を目指した。極低温に冷却したオルトケイ酸イットリウム結晶中のエルビウムイオンからの近赤外超放射観測に成功した。さらにその結晶温度や励起強度依存性から結晶中のコヒーレント現象に関する理解の深化を得た。 -
ニュートリノ質量分光に向けたマクロコヒーレンス増幅における幾何学的効果の検証
研究課題/領域番号:19K21878 2019年06月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
宮本 祐樹
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
本研究では、ニュートリノ質量分光の検証としてキセノンガスからの三光子放出を用いた実験を計画していたが、初年度の実験結果からキセノンガスはニュートリノ質量分光の標的に不適格であることが判明し、急遽結晶中のエルビウムイオンを新標的として選定し、次年度にはそのコヒーレント放射を観測し、凝縮相中でのコヒーレント現象の理解を深め、ニュートリノ質量分光の標的としての可能性を見出した。
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量子干渉増幅機構を応用したアクシオン暗黒物質の探索
研究課題/領域番号:19H00686 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
笹尾 登, 宮本 祐樹, 平木 貴宏, 原 秀明
配分額:45110000円 ( 直接経費:34700000円 、 間接経費:10410000円 )
今年度においてはEr3+ :YSO結晶(Y2SiO5)における超放射観測を目指した。この結果、周期的な放射を繰り返す超放射現象を発見した。この現象の特徴は以下のとおりである(結晶温度は約4K度)。超放射の周期は平均160マイクロ秒である。但し平均値を中心に50マイクロ秒程度のランダムな変動がある。1つの超放射パルスの時間幅は典型的には30ナノ秒であり、これも20ナノ秒程度の幅で変動する。また超放射パルスは概ね10^12個程度の光子から成り立つ。超放射はほぼ単色であり(波長1.55マイクロメートル)、その線幅は100MHz程度以下である。測定された線幅は、結晶が有すると予想される不均一幅(1GHz)に比較して小さい。標的を変化させると閾値(約20K程度)が確認され、それ以上になると超放射は観測されなくなる。周期的な超放射現象は、知る限り報告されておらず興味深い現象であるといえよう。
一方理論面では、引き続き様々な検討を行った。主たる成果は以下のとおりである。まず本実験は、アクシオンのみならず、ダークフォトンと呼ばれる暗黒物質候補にも感度があることを確認した。ダークフォトンは宇宙のインフレーション中に生まれるという予想もあり注目されている。また実験の観点では磁場を必要としないため、実験がやや容易となる。標的候補として冷却されたアルカリ原子を用いることも検討した。冷却アルカリ原子は十分実績のある標的である。但し我々が必要とする数量に到達するには、技術的なブレークスルーを必要とされる。我々はアルカリ原子の中でも、レーザーをより容易に準備することが可能なセシウム(Cs)原子を用いることとした。今後は、標的として、結晶及びセシウム原子の両方を理論・実験の両面から検討することとした。 -
カイラル分子におけるパリティ非保存観測に向けた極低温気相多原子分子生成技術の確立
研究課題/領域番号:18H01229 2018年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宮本 祐樹, 久間 晋
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
ヒッグス粒子の発見により標準模型が完成をみた一方で、物質優勢宇宙の起源など標準模型では説明できない事象があることも良く知られている。そのため「標準模型を超えた物理」の探索が今後の基礎物理における主要課題である。そこで我々が着目したのは、パリティ対称性の破れに由来するカイラル分子鏡像異性体間のエネルギー差である。このエネルギー差を測定することにより、低エネルギー領域における弱混合角を精密に決定することが最終目標である。しかし、この極小のエネルギー差を観測するためには、カイラリティを持つ多原子分子を孤立状態でミリケルビン以下まで冷却する必要があり、そのような技術は現在確立されていない。そこで本課題では、バッファーガス冷却とレーザー冷却により三原子分子をミリケルビン以下まで冷却することを目的としている。
2018年度は、予定通り本課題で用いる真空装置を立ち上げるとともに、対象分子である一水酸化カルシウムをレーザーアブレーションによって生成し、それを四重極型質量分析計により観測することが目的とし研究を行った。
真空装置の立ち上げについては問題なく完了し、10^-6 Pa程度の真空度が得られた。本実験の遂行に問題のない真空度である。さらにガスラインやバルブなどの設置も終了し、次年度以降に用いる冷却用のセルも導入済みである。
レーザーアブレーションに関しては、光学系の設置を行い、高圧により粉末成型しセル中に固定した二水酸化カルシウムターゲットにNd:YAG laserの二倍波を照射することができた。アブレーション時にアルゴンガスを流し、下流にある四重極型質量分析計の信号を観測したところ、一酸化カルシウムに相当する質量数57がレーザー入射後に増大することを観測した。 -
ニュートリノ質量分光に向けた位相共役波観測によるマクロコヒーレント増幅機構の検証
研究課題/領域番号:17K18779 2017年06月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
宮本 祐樹
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
本研究課題ではニュートリノ質量分光の構成要素の一つであるコヒーレンス増幅の原理検証として、対向する二つの光子で励起された気相水素分子の振動状態からの位相共役二光子放出を観測した。観測された二光子放出の振る舞いはマクスウェル・ブロッホ方程式やそれを簡略化したモデルによる計算で良く再現され、コヒーレンス増幅の理解が深まった。さらにターゲットを固体水素とすることで、高密度・高コヒーレンス状態における検証も行った。同時に観測される三倍波と二光子放出では時間的振る舞いに相違があることがわかり、コヒーレンス増幅におけるジオメトリの重要性を示す結果が得られた。この現象の詳細な理解は今後の課題である。
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ニュートリノ質量分光に向けた位相共役波観測によるマクロコヒーレント増幅機構の検証
2017年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費補助金・挑戦的研究(萌芽)
宮本 祐樹
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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研究課題/領域番号:15K13486 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
笹尾 登, 吉村 太彦, 宮本 祐樹
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
本研究の究極目標は、ニュートリノの未確定重要パラメータを測定することにある。
このため我々は原子励起状態からの光子を伴うニュートリノ対放出過程に着目した。本研究に於いては、パラ水素標的の振動励起準位と基底状態間のコヒーランスを対向型と呼ばれる励起配位で実現し、それからの対超放射過程信号を観測することに成功した。また信号強度やその共鳴幅等の性質は、ほぼシミュレーションで再現することも判明した。これより原子を用いたニュートリノ分光に向けて、その基礎となるマクロコヒーラント増幅原理を実験的にも理論的にも飛躍的に深化させた。この成果を基に二光子凝縮体の理論的実験的研究を継続している。 -
研究課題/領域番号:15K17651 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
宮本 祐樹
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
ニュートリノの未知の性質を原子分子過程によって明らかにしようという新しい試みであるニュートリノ質量分光にとって、その基本原理の一つであるマクロコヒーレント増幅を高密度環境下で実現することは重要なステップである。本研究では、量子固体である固体パラ水素中で二光子放出過程をコヒーレント増幅することに成功した。高密度かつデコヒーレンス時間が長いという固体パラ水素の特性により観測された二光子放出は、励起過程が終了した後も強度が増大するという特徴ある振る舞いを示した。
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研究課題/領域番号:25820144 2013年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
宮本 祐樹
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
中赤外からテラヘルツ領域の光は様々な分野への応用が進められており、光源開発を含めた各種の技術研究も盛んにおこなわれている。本研究の目的は固体水素ラマンシフターによる高強度・狭線幅・波長可変中赤外~テラヘルツ光源の開発である。研究代表者は中赤外からテラヘルツ領域で使用可能なラマンシフター用の高品質固体水素を簡便に作成する方法を確立し、3色のレーザー光を用いて狭線幅で波長可変な中赤外のパルスを発生させることに成功した。