共同研究・競争的資金等の研究 - 小野 努
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モノフィラメント状微細繊維加工による機能性繊維製品の開発
2021年10月 - 2022年03月
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 研究開発型スタートアップ支援事業
小野努
担当区分:研究代表者
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マイクロ流路内における高剪断場相転移誘起による配向性向上と機能発現設計
研究課題/領域番号:21H01693 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
小野 努
担当区分:研究代表者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
本研究を効果的に推進していくた めに,「マイクロ流路設計」「流動・異相界面制御」「物質移動・溶液物性解析」「圧力損失計算・流量計測」の4つの要素技術を検証して制御することが重要である。しかしながら,実際の流路内の流動状態は微細流路になるほど高速となり,直接観察が困難である。そこで,流路設計と流動制御に関する知見を得るために,CFDによるシミュレーションから微細流路内の挙動を推測し,それを基に流路構造を設計した検討を行ってきた。なかでも,ジェット流から繊維を得る場合には,様々な高分子溶液がノズル出口において高流量の外相溶液によって絞られて“Taylor cone”形状を作り出す。その後にオリフィスを設けることで,流れ方向への圧倒的な線速度増加をもたらし,ジェット流が安定に形成されることが見いだされた。この間に物質移動速度も高めた条件を見出すことで,高せん断場での相転移が誘起されて得られた繊維状生成物内の分子配向性を高めることができた。また,流路内で作製した単分散液滴の内部で相分離挙動を誘起することを,流体内の溶液組成で制御できることも見出すことができ,相分離時の物質移動速度が相分離後の構造に影響を与える知見が得られるようになった。この点については,成分系の相図を活用し,組成変化の様子を詳細まで観察したことが重要であり,単分散液滴での観察であることから,粒径から体積変化を算出できて精度の高い実験が行えたことが大きい。
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革新的水処理および創エネルギー技術の構築を目指した次世代型正浸透膜法の体系化
研究課題/領域番号:21H04629 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
松山 秀人, 松方 正彦, 比嘉 充, 小野 努, 吉岡 朋久, 神尾 英治, 中川 敬三, 佐伯 大輔, 松岡 淳
配分額:41730000円 ( 直接経費:32100000円 、 間接経費:9630000円 )
1.新規水チャネル型FO膜の創製
1-1.環状ペプチド分子集合体チャネル膜の創製(松山、吉岡、佐伯):分子動力学計算に基づき分子設計された種々の環状ペプチドについて、リン脂質二分膜へ導入してペプチドチャネル型FO膜作成を行った。1-2.イオンビーム飛跡グラフト重合法によるナノウォーターチャネルFO膜の構築(比嘉):ポリエチレンフィルムにXeイオンビームを照射後、クロロメチルスチレンのグラフト重合を行うことでナノチャネル作成を試みた。照射前後の膜電位測定でグラフト鎖の導入を確認した。1-3.革新的ロバスト無機ゼオライトFO膜の創製(松方):孔構造の異なる支持体上にゼオライト膜を製膜しそのFO膜特性の評価を行った。支持体構造がゼオライト膜の水透過性に影響することが明らかになった。1-4.計算機科学による高機能FO膜開発支援 (吉岡):Amphotericin Bの環状ペプチドの一部の水酸基を水素に置換することで疎水化したチャネルモデルがより高い透水性を示すことを分子動力学(MD)シミュレーションで見出した。
2.新規刺激応答性駆動溶液(DS)の創製
2-1.熱応答性イオン液体DSの創製(小野、松岡):種々の水素結合性官能基を有するカチオンと、疎水的なアニオンであるbis(trifluoromethylsulfonyl)imideからなる数種の上限臨界溶液温度型イオン液体を開発した。2-2.刺激応答性有機ポリマーDSの開発(中川):親水的なエチレンオキサイド(EO)及び疎水的なブチレンオキサイド(BO)の共重合比によって相分離挙動を制御する下限臨界溶液温度型コポリマーDSを開発した。
3.FO膜透過とDS再生を含む連続システムによるFS評価とFO膜システムの実証(松山、神尾):開発DSを用いて連続再生するFOシステムのラボ実験を行い、透水性能評価とともに物質収支データを収集した。 -
チャネル型正浸透膜の創製と究極的ゼロエネルギー水処理プロセスの構築
研究課題/領域番号:18H03854 2018年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
松山 秀人, 彌田 智一, 松方 正彦, 小野 努, 吉岡 朋久, 中川 敬三, 神尾 英治, 佐伯 大輔, 高橋 智輝, 稲田 飛鳥
担当区分:研究分担者
配分額:43940000円 ( 直接経費:33800000円 、 間接経費:10140000円 )
1.新規水チャネル型FO膜の創製
1-1.環状ペプチド分子集合体チャネル膜の創製(松山、吉岡、佐伯)では、分子動力学計算を用いて環状ペプチドチャネル分子を設計、合成し、これをリン脂質二分子膜に導入することで新規生体模倣型FOチャネル膜の開発を行った。1-2.高分子液晶垂直配向チャネル膜の創製(彌田、佐伯、稲田)では、高分子液晶の垂直配向シリンダー構造を水チャネルとして利用したFO膜の創製を行った。各種支持膜との複合化製膜プロセスを構築した。1-3.革新的ロバスト無機ゼオライトFO膜の創製(松方)では、ZSM-5等のゼオライトが持つ親水性ミクロ細孔特性を利用して、安定性が高く高温にも耐える全く新しい無機FO膜の開発を行った。1-4.計算機科学による高機能FO膜開発支援 (吉岡)では、分子動力学計算により水チャネルの正浸透透水モデルを構築し、高透水性発現に必要な構造や物性をシミュレーションにより解明するとともに、結果のフィードバックにより、高透水性FO膜開発支援を行った。
2.新規刺激応答性駆動溶液(DS)の創製(小野、高橋)
熱応答性イオン液体DSの創製を目指し100種類以上のイオン液体分子について量子化学計算を活用して系統的なスクリーニングを行い、化学構造と温度相転移特性との関係性を明らかにするとともに、熱応答性イオン液体の温度依存的浸透圧発現機構を解析し、高浸透圧と相分離特性を両立する高性能なイオン液体DSの創出を行った。
3.FO膜透過とDS再生を含む連続システムによるFS評価とFO膜システムの実証(松山、神尾、中川)
FO膜とDSを用いた連続FOシステムの構築を行い、構築したシステムにより、熱応答性イオン液体DSの性能確認を行うとともに、海水淡水化を想定したFO膜プロセスで連続的にモデル海水から純水を得ることに成功した。 -
マイクロ空間における迅速な相転移誘起の制御と微細構造設計
研究課題/領域番号:18H01767 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
小野 努
担当区分:研究代表者
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
マイクロ流路内における精密な異相界面形成に加えて,迅速な溶媒拡散作用を用いることで相分離を誘起すれば,微粒子,カプセル,繊維などの精密生産が可能なうえ,その微細構造を制御することが可能であることを実験的に示した。特に,このような非平衡状態における相転移現象を支配する操作因子についてをCFD解析や実験的検証によって明らかにして,それらを活用することで分子配向性を向上した繊維の調製やコアーシェル構造やヤヌス構造を制御したゲルおよび核生成を制御した単分散微粒子の迅速調製などが可能なことを明らかにした。
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マイクロ湿式紡糸技術をコアとした高付加価値材料の精密生産
2017年 - 2019年
科学技術振興機構 大学発新産業創出プログラム(START)
担当区分:研究代表者
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セグメント空間内相転移における核生成および流体特性制御による精密材料設計(国際共同研究強化)
研究課題/領域番号:16KK0131 2017年 - 2019年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
小野 努
担当区分:研究代表者
配分額:15080000円 ( 直接経費:11600000円 、 間接経費:3480000円 )
マイクロ流路で調製された単分散液滴内部での重合誘起相分離(PIPS)によって,複雑な微細構造を有するヒドロゲル微粒子を調製できた。そして,その微細構造はPEGやPAM濃度に依存しており,表面や内部の構造にまで影響を与えていることが分かり,それらの制御因子について明らかにしてきた。種々の添加物種類や濃度によって微粒子の表面および内部の微細構造が制御できることから,目的に応じた微細構造を設計することが期待できる。本国際研究では,それらの知見を基にして国際共著論文の準備を進めていたが,最終段階で新型コロナウィルスの影響受け,次年度以降に継続して投稿を準備中である。
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超高機能構造タンパク質による素材産業革命
2017年 - 2018年
内閣府(CAO) 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)
担当区分:研究分担者
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ソフト界面への金属集積を指向する界面設計技術の構築
研究課題/領域番号:16K14459 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
小野 努, 渡邉 貴一, 恒吉 俊彦, 今井 慶彦, 輿羽瀬 佑
担当区分:研究代表者
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
材料表面の機能化は,国内外に向けて高付加価値材料を創出していくうえで極めて重要な課題であるが,材料の成形加工とともに表面に金属を配向させる手法はほとんどない。本研究では,金属錯体を連結部に有するメタロ超分子界面活性剤を用いて材料表面に金属錯体部を集積させることを試みた。本手法で一定の金属錯体を固体表面へ配向させることはできたが,更なる金属特性を固体表面に導入すべく,ナノ粒子の液液界面への配向とそれを触媒とした無電解めっき反応による界面における金属薄膜形成を実現した。
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マイクロ湿式紡糸プロセスによるPVA繊維の改質
2016年
科学技術振興機構 地域産学バリュープログラム(A-STEP機能検証フェーズ)
担当区分:研究代表者
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セグメント空間内相転移における核生成制御手法の構築
研究課題/領域番号:26289291 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
小野 努, 渡邉 貴一
担当区分:研究代表者
配分額:16120000円 ( 直接経費:12400000円 、 間接経費:3720000円 )
液滴やスラグ流といった非相溶流体によって形成されるセグメント空間内における核生成挙動を様々な観点から検証し,液滴内晶析反応からは核生成頻度の解析によって,核生成速度の算出を可能にし,簡便な核生成速度計測手法として構築することができた。また,マイクロ空間内における乳化重合反応からは,核生成の精密制御と物質移動促進によって,回分反応とは異なる高分子重合挙動を見出した。いずれの研究成果も,核生成挙動を制御するためにセグメント空間が非常に効果的であることを示唆するものであり,今後の製造技術革新や精密な材料設計に有用な知見が得られた。
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界面分子制御による無電解めっき反応を利用したメタルカプセルの調製
研究課題/領域番号:25630344 2013年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
小野 努
担当区分:研究代表者
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
本研究ではマイクロカプセルの更なる機能化を探求する目的で,「無電解めっき反応」に着目し,マイクロカプセル上への金属結合された層の構築を目指した。実験結果から,表面における金属触媒の担持が極めて重要であることが分かり,当初の目標であった液液界面や気液界面への直接金属膜の導入は実現できなかったが,今後の開発の可能性を示唆できた。一方で,pH制御によって無電解めっき反応によるマイクロカプセルへの磁気特性の付与を実現できた。
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界面エネルギーを高次制御した新規ナノ乳化法の開発
2012年
科学技術振興機構 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)
担当区分:研究代表者
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革新的マイクロ湿式紡糸プロセスによる高機能ナノファイバーの創製
2011年 - 2014年
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 先導的産業技術創出事業(若手研究グラント)
担当区分:研究代表者
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多層ヒドロゲルの精密生産技術を活用した機能性ヒドロゲルカプセル創製
2011年
科学技術振興機構 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)
担当区分:研究代表者
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界面制御ラジカル重合による機能性微粒子の創製
2009年
科学技術振興機構 地域イノベーション創出総合支援事業 重点地域研究開発推進プログラム シーズ発掘試験
担当区分:研究代表者
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光線力学的治療に有効な多機能型薬剤内封ナノ運搬体の開発
2007年 - 2009年
厚生労働省 校正労働科学研究費補助金 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
大河原賢一
担当区分:研究代表者
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ピコリットルバイオリアクターのオンデマンド調製技術の確立
研究課題/領域番号:19760552 2007年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
小野 努
担当区分:研究代表者
配分額:3570000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:270000円 )
ピコリットルスケールの体積を有するマイクロカプセルを利用してバイオリアクターへの応用を検討するもために,精密な微細液滴調製技術の構築と細胞と同等レベルの単分散マイクロカプセル内での物質生産の構築を行ってきた。マイクロリアクターを用いて単分散ピコリットルカプセルの調製を実現し,そのなかで大腸菌の培養と増殖およびプラスミド(目的蛋白質の遺伝子をコードした環状DNA)の導入によって目的蛋白質の生産を確認することができた。
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熱誘起分子シンクロナイゼーションによる生分解性ナノカプセルの創製
研究課題/領域番号:17360383 2005年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
吉澤 秀和, 小野 努, 北村 吉朗
担当区分:連携研究者
配分額:16490000円 ( 直接経費:15500000円 、 間接経費:990000円 )
本研究では、水溶性生分解性高分子であるポリアスパラギン酸誘導体に温度応答機能を重畳した新規な高分子を種々合成し、その機能の熱誘起分子シンクロナイゼーションを利用した生体分子を内包する新規な生分解性ナノカプセルの創製を目的としている。
そこで、当該年度では、前年度合成し成功し、その感温特性が確認された水溶性感温性ポリアスパラギン酸誘導体(Thermo-PAspD)について、熱誘起相転移によって形成するナノスフェアの生成メカニズムの解明と生成したナノスフェアの粒径制御法について検討した。
まず、ナノスフェア形成に及ぼすプロセス因子の影響として、まず、側鎖構造としてイソプロピル基を導入したIPA-PSIを用いて、ナノスフェア形成に及ぼす昇温速度の影響を検討した。その結果、IPA-PSIナノスフェアの粒径は、冷却速度や洗浄攪拌速度などに影響を受けず、高濃度において生起するナノスフェアの粒径はほぼ一定となった。また、加熱温度及び加熱時間が最も粒径に影響を与えることが明らかになった。これらの結果から、脱水和したIPA-PSIの供給が充分な条件において、IPA-PSIナノスフェアの粒径は、溶解しているIPA-PSIの量ではなく調製温度と曇点との差に大きく依存することが示唆され、平均粒径を120〜190nmの範囲で制御できた。
さらに、ナノスフェア形成に及ぼす材料因子について検討した結果、IPA-PSIのLCSTは、イソプロピル基の導入率の上昇に伴って減少し、分子量の増加に伴って増加する傾向が見られた。電解質の添加効果に関しては非常に複雑に影響しており、IPA-PSIのLCSTは特殊な依存性が観察された。 -
ペプチドタグを利用した総括的タンパク質リフォールディングプロセスの構築
研究課題/領域番号:17760626 2005年 - 2006年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
小野 努
担当区分:研究代表者
配分額:3400000円 ( 直接経費:3400000円 )
本研究では,総括的なタンパク質リフォールディング効率の向上を目指して,ペプチドタグを導入したタンパク質の生産とナノスフェアを利用した選択的凝集による高効率リフォールディング手法の構築を目指して行った。まず,N末端およびC末端の両方にNiとの錯形成が可能な6つのヒスチジン残基が並んだペプチド配列(以下,His-tag)を遺伝子的に導入したタンパク質発現ベクターを調製した。特に,両端へHis-tagを導入した緑色蛍光タンパク質(2x His-tag GFP)を調製して,ペプチドタグの影響を受けることなく大腸菌を利用して安定にタンパク質を生産できることを確かめた。
また,凝集挙動を色によって識別できる可能性を有するため,ナノスフェアとして金コロイドを選定し,Ni配位子を導入しても安定な金コロイド調製手法を確立するために,高分子で分散安定した金コロイドの調製を試みた。生分解性も期待できるポリアスパラギン酸を主鎖として側鎖に金コロイドの安定な分散に寄与する官能基とHis-tag認識部位を導入することで2x His-tagタンパク質の高効率リフォールディングに有用なナノスフェアの調製を行った。数十nmの単分散な金コロイドを調製できるポリアスパラギン酸系高分子の設計が可能になったが,十分量のHis-tag認識部位をナノスフェア表面に導入するには至っておらず,更なる高分子の精密設計が必要であることがわかった。
これらの知見から,His-tag認識部位をナノスフェア表面に効率的に呈示するための改善を施すことによって,変性溶液中からの2x His-tag GFPの選択的凝集とリフォールディングが可能になるものと期待される。本研究成果を基にして更なるナノスフェア表面を精密設計することで,コロイド化学をタンパク質工学に融合させた新しいリフォールディングツールの構築が期待できる。