共同研究・競争的資金等の研究 - 細野 祥之
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37℃環境で生育する魚ガラルファを用いたヒト由来癌移植モデルの構築
研究課題/領域番号:24K21914 2024年06月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
島田 康人, 臧 黎清, 細野 祥之
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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腫瘍関連老化細胞spreading解析のための新規モデル作成とその詳細解明
研究課題/領域番号:24K22071 2024年06月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
冨樫 庸介, 細野 祥之
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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生物種を超えた多面的解析による遺伝性腫瘍の新規バリアント機能解明
研究課題/領域番号:24K10404 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
奥舎 有加, 澤田 隆介, 細野 祥之
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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癌・精巣リボヌクレオタンパク質の機能解明と、新規抗がん剤創出
研究課題/領域番号:23K24163 2024年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
細野 祥之, 林 陽平, 佐藤 綾人, 山口 類
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
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難治性肺がんの発生と進行を寛容する微小環境の同定と新規治療法開発
研究課題/領域番号:23H02996 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
枝園 和彦, 豊岡 伸一, 冨田 秀太, 細野 祥之, 山本 寛斉, 諏澤 憲
配分額:18850000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:4350000円 )
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血漿タンパク質の医薬品応用を目指したAI技術による薬効予測
研究課題/領域番号:23K06233 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
澤田 隆介, 細野 祥之, 座間味 義人
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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癌・精巣リボヌクレオタンパク質の機能解明と、新規抗がん剤創出
研究課題/領域番号:22H02902 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
細野 祥之, 林 陽平, 佐藤 綾人, 山口 類
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
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がん増悪因子としての溶血とヘモペキシンの新規活性に着目した治療戦略検証と創薬
研究課題/領域番号:22K07253 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
逢坂 大樹, 王 登莉, 細野 祥之
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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固形癌における抗腫瘍薬の薬剤耐性を改善するグルタミン代謝抑制化合物の開発
研究課題/領域番号:22K09006 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
増田 隆明, 三森 功士, 細野 祥之
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
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軟骨無形成症に対する治療薬の開発研究―塩酸メクリジンのFGFR3抑制作用の検討―
研究課題/領域番号:21H03063 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
鬼頭 浩史, 三島 健一, 松下 雅樹, 細野 祥之
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
①cell freeキナーゼアッセイでFGFR3下流のMAPK pathwayにおけるリン酸化を検討したところ、メクリジンはMAP3K3のリン酸化を抑制した。さらに詳細にメクリジンの細胞内でのFGFR3抑制作用機序を解明するために、胎生期マウスの長管骨軟骨をFGF添加下に器官培養し、そこからRNAを抽出ののちRNA-seqによりMAPK pathwayに属する遺伝子を解析した。Gene set enrichment analysisにより、メクリジンはMAPK pathwayのうちERKとp38を抑制したが、JNKには影響しないことが明らかとなった。したがって、メクリジンのターゲットはMAP3K以上のレベルであることが考えられ、今後、構造解析などでメクリジンのbinding siteの同定、解明を目指す。
②7日齢の軟骨無形成症モデルマウスにメクリジンを各種濃度(1, 2, 4, 8mg/kg/day)で10日間連続投与し、骨伸長を検討した。8mg/kg/day投与では毒性のためか、モデルマウスの骨伸長は阻害されたが、その他の濃度では骨伸長は促進し、2mg/kg/day投与で最もその効果が顕著であったので、これを至適濃度と決定した。低リン血症性くる病モデルマウスではFGFR3を含めたFGFRシグナルが亢進していることが知られているため、至適濃度(2mg/kg/day)のメクリジンを同モデルマウスに同じプロトコールで投与した。骨伸長の有意な促進は認められなかったが、メクリジンは成長軟骨板における骨石灰化を促進し、肥大軟骨細胞層の幅を減少させ、モデルマウスの表現型を軽減した。
③ゼブラフィッシュにFGF2とともにメクリジンを投与した。ゼブラフィッシュの脊椎はFGF2によって石灰化が亢進したが、メクリジンはこれを抑制した。同様の効果は、頭蓋顔面骨でも認められた。 -
ヒトとゼブラフィッシュの類似点・相違点を利用した、遺伝子と化合物スクリーニング
研究課題/領域番号:20K20600 2020年07月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓) 挑戦的研究(開拓)
細野 祥之, 山口 類
配分額:26000000円 ( 直接経費:20000000円 、 間接経費:6000000円 )
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精巣・癌特異的長鎖非翻訳RNAであるTHORのプロモーター解析とその治療応用
研究課題/領域番号:19K21295 2019年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
細野 祥之
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
免疫沈降法と質量分析法を組み合わせて、THORの転写制御を調整している可能性のある2個の転写因子を同定し、これらの発現抑制による非小細胞肺癌細胞株の細胞増殖の低下も確認した。
次に、THORの転写制御点を標的とした治療の可能性を検討するため、市販薬1200個の低分子化合物ライブラリーによる治療が、①細胞増殖に与える影響、②THORの発現に与える影響、③THORの転写制御に与える影響をそれぞれ、IncuCyte、qRT-PCR、Luciferase Assayを用いて解析した。これら3つも網羅的な解析の結果はいずれの2つの組み合わせにおいても互いに相関していた。 -
癌におけるカベオラを基軸とした生体膜ダイナミクス制御機構の解明
研究課題/領域番号:18H02683 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
山口 知也, 細野 祥之
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
リネジ生存癌遺伝子であるTTF-1によって転写活性化される受容体型チロシンキナーゼであるROR1は、「カベオラ」と呼ばれる生体膜ドメインの形成に関与することで、肺腺癌における重要な生存シグナルを担っている。そこで本研究では、これまで多くの謎に包まれてきた生体膜でのカベオラの詳細な生成過程や生理機能、更にはカベオラに規定される生存・増殖シグナリングの区画化など、癌細胞での生体膜における規則性や多様性、或はこれまでにない制御機構の発見を目的とした。
今年度は、昨年度に引き続き、生体膜の重要な生理機能の1つであるカベオラ依存的なエンドサイトーシスの制御に焦点を当て、ROR1による生体膜の制御機構の解明を進めた。これまでの解析から、CAVIN3によるROR1の結合部位を欠損したROR1結合部位欠損変異体を発現させた細胞では、有意にカベオラ依存的なエンドサイソーシスが阻害されることがわかり、また電子顕微鏡を用いた解析からは、カベオラ形成そのものには影響を及ぼさないことが判明した。さらに、細胞染色やショ糖濃度勾配遠心法を用いた検討から、肺腺癌細胞におけるROR1の発現抑制は、CAVIN3の細胞内局在の変化を引き起こし、カベオラ画分から消失することを見出した。このことからROR1は細胞内においてCAVIN3の適切な局在化に必須であることが分かった。次に、CAVIN3蛋白質の結合部位を欠損したROR1欠損変異体を用いて、生存シグナルへの影響を検討したところ、カベオラ依存的なエンドサイソーシスが阻害される、CAVIN3によるROR1の結合部位を欠損したROR1結合部位欠損変異体を発現させた細胞では、ERK軸のシグナリングには影響がみられないのに対して、AKT軸のシグナリングが有意に低下していることが判明した。またこの細胞では、細胞増殖の低下が顕著に認められた。 -
肺がんの分子病態をノンコーディングRNAから俯瞰するシステム的統合研究
研究課題/領域番号:15H05910 2015年06月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
高橋 隆, 梶野 泰祐, 細野 祥之, 中杤 昌弘, 柳澤 聖, 長田 啓隆
配分額:238810000円 ( 直接経費:183700000円 、 間接経費:55110000円 )
“京”スーパーコンピュータを駆使したシステム生物学と最先端の次世代シーケンス解析とプロテオミクス解析を用いたがんの分子生物学的研究の融合を通じ、未だほとんど手つかずであった肺がんの発生・進展に関わるlncRNAの探索・同定とその分子機構の解明を目指してきた。その結果、MYC、TTF-1さらにはp53といった肺がんの発生・進展に極めて重要な役割を担っている転写因子の制御に関わる、新規lncRNAの同定とその分子機序の解明につなげることができた。今後は、とくにMLITやTILRを中心に、さらに詳細な分子機能の解明を進め、肺がんの発生・進展における機能的役割の全貌に迫る予定である。
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肺腺癌のリネジ特異的生存因子であるTTF-1遺伝子の下流分子の探索と機能解明
研究課題/領域番号:10J07945 2010年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
細野 祥之
配分額:700000円 ( 直接経費:700000円 )
正常末梢肺上皮細胞株にTTF-1を導入し、マイクロアレイ法による網羅的遺伝子発現解析を行い、TTF-1導入細胞株において著明な発現誘導を示すTTF-1の標的遺伝子としてMYBPH (myosin binding protein H)を同定した。TTF-1によるMYBPHの発現調節が転写レベルで行われていることを、ルシフェラーゼアッセイ法とクロマチン免疫沈降法により確認した。MYBPH導入細胞株では細胞遊走能・浸潤能が抑制され、また高転移性肺癌細胞株の肺転移能の抑制が観察された。また、MYBPH高発現を示す肺腺癌臨床検体では病理学的に浸潤性が低かりた。
さらに、MYBPH導入細胞株ではアクチン・ミオシンの配交が乱れ、アクチンストレスファイバーの形成阻害を認めた。生化学的な機能解析を進めた結果、MYBPHがROCK1と結合してmyosin light chainのリン酸化を抑制すること及び、myosin heavy chainとも結合し、その会合を阻害することが明らかとなった。
興味深いことに、一部のTTF-1陽性の肺癌細胞株と肺腺癌臨床検体において、MYBPHはプロモーター領域のDNAメチル化による発現抑制をうけていた。
本研究により、TTF-1の発現が肺腺癌の生存に必須であるにも関わらず、なぜTTF-1を発現している肺腺癌は臨床的予後がいいのかという疑問に対して、TTF-1によって誘導されるMYBPHというこれまでほとんど機能未解明であった分子が、その原因の一端を担っている可能性が強く示唆された。また、肺腺癌の進展にとって不利に働くと考えられるMYBPHの発現は、そのプロモーター領域のDNAメチル化によって抑制されていることが明らかとなった。