共同研究・競争的資金等の研究 - 太田 努
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カンラン岩のリチウム同位体組成にみるマントル内同位体非平衡の時空間スケール
研究課題/領域番号:17K05706 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
太田 努
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
典型的なマントルカンラン岩を産する幌満岩体について,水流体と共に挙動する元素の分布を,水素のそれと合わせて調べた結果,同岩体には約十億年前の海洋底熱水変質と約一億五千万年前の沈み込み帯流体との反応が記録されていることがわかった.
岩体縁部は後のイベントによる再平衡に達しているが,岩体中央の幅約1キロメートルの領域では,約十億年前の熱水変質によるリチウム同位体比や微量元素濃度が保持されており,その水素濃度は典型的なマントルの十倍以上に相当する.幌満岩体の存在は,少なくとも十億年前以降のマントルにおいて,キロメートル規模の含水物質の不均質分布が,そのダイナミクスや化学進化に寄与していたことを示す. -
現行型沈み込み帯出現の地質学的証拠:古原生代、高圧中間群変成帯の総合研究
研究課題/領域番号:15H05212 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
辻森 樹, 平野 直人, 太田 努
配分額:15860000円 ( 直接経費:12200000円 、 間接経費:3660000円 )
本研究は東アフリカ、タンザニア地塊外縁造山帯(太古代タンザニア地塊を取り囲む原生代造山帯)に産する約20億年前の高圧中間群変成帯とそれに対をなす古原生代のバソリス帯において野外地質調査を行い、採取した岩石試料を解析した。低変成度の結晶片岩地域の変成枕状玄武岩の地球化学的特徴や高変成度岩の変成作用の特徴、さらにバソリス帯の活動時期を総合的に検討した結果、海洋プレート沈み込みに伴う約20億年前の太平洋型造山帯の実体が明らかとなった。
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大陸地殻の改変と構造侵食の実像:タンザニア地塊外縁造山帯約15億年間の変遷解読
研究課題/領域番号:24403010 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
辻森 樹, 太田 努, 小林 桂
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
「太古代安定地塊がどうのように縮小するのか?安定地塊を核とした原生代造山帯はどのように発達し、それらが他の固体地球プロセスにどのように影響しているのか?」本研究は、太古代タンザニア地塊を核に成長した原生代の地塊外縁造山帯を野外地質調査し、地塊外縁造山帯の約15億年間の地史の情報抽出において鍵となる岩石試料に先端的な総合分析を応用した。タンザニア地塊を取り囲む地塊外縁造山帯は汎アフリカ造山時期の地殻改変と短縮が顕著であるが、古原生、いわゆるエブルニア造山時期の情報は、高圧中間群変成帯とそれに関連した花こう岩バソリスが記録しており、顕生代以降の太平洋型造山帯に近似可能であることがわかった。
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沈み込み帯マントルカンラン石の微量元素組成とリチウム同位体分別
研究課題/領域番号:24540513 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
太田 努, マルファット ウィム・J
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
地球の化学進化を理解するため、代表的マントル鉱物であるカンラン石中のリチウムに注目し、深部マントルとプレート運動によって運びこまれた表層物質との間の相互作用の解明を目指した。
単純系での同位体分別係数を実験的に決定し、天然のマントルカンラン岩を分析した結果、水流体との間で同位体分別したカンラン石は、含水量が高いことがわかった。このことは、水流体との反応でカンラン石に固定されたリチウムの同位体組成は、地質学的時間規模でマントルの高温条件に置かれても保持されており、そうした同位体分別とプレート運動による物質循環が繰り返されることによって、表層とマントルの間での化学分化が進んできたことを示唆する。 -
希ガス同位体を用いた「Old Rock Geochemistry」の展開
研究課題/領域番号:21244085 2009年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
松本 拓也, 松田 准一, 辻森 樹, 太田 努, 山下 勝行, 宮川 千絵
配分額:38220000円 ( 直接経費:29400000円 、 間接経費:8820000円 )
本年度は、中国東南部各地から採取したマントル捕獲岩の希ガス同位体分析を完了した。この地域の大陸下lithosphereは比較的最近に大規模な剥奪過程を経験したことが先行研究などにより提唱されており、希ガス同位体がどのような特徴を示すかで、大陸中央部のlithospbereの進化過程に制約条件を与えうると期待できる。分析した試料の特徴としては一様に希ガス含有量がオーストラリアで産出する同様の岩石と比べて少なく、結果として同位体分析もかなり困難であった。ヘリウムの同位体が典型的な上部マントルの億よりも10-20%低い億を示すものもあったため、比較的最近のガスの寄与というよりは、ある程度の期間マントル内で放射集変起源成分の蓄積された領域が存在し、その領域に起因する流体が付加されたものであると推定できる。また、インド洋意の玄武岩試料の分析も完了し中央インド洋海嶺のセグメント毎に明確なヘリウム同位体比の特徴の違いを発見した。一部のセグメントで明確にレユニオンマントルブルームに起因する成分の寄与を発見するとともに.あるセグメントでは上部マントルの値よりも低い3He/4Heが発見され、その様な値は脱ガスを経験した上部マントルがその後少なくとも1000万年以上の期間放射起線のヘリウムを蓄積し、その領域からのガスが特定のセグメントにヘリウムを供給する必要がある。上記2つの研究は対象は異なっているが、いずれも上部マントル内でのローカルな同位体進化を反映した同位体不均一の存在を示唆しており、地球内部の同位体進化を探る上で今後考慮すべき事柄である。また、一部のダイアモンドで見られるネオン同位体の特徴を解釈するために、ネオンの同位体進化曲線をモデル計算し論文として発表した。昨年度来から継続したオーストラリア東部の研究については論文を発表するとともに国際学会にて発表を行った。
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研究課題/領域番号:21540505 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
太田 努, 森口 拓弥, 国広 卓也, ジェイムズ G・ブロフィー
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では,地球の進化を方向付けた,沈み込み帯における表層由来物質とマントル物質との化学的相互作用を理解するために,代表的マントル鉱物のカンラン石と水流体の間でのリチウム分配・同位体分別のパラメータを実験的に明らかにすることを目指した.合成実験によって得られたカンラン石の分析から,今までの研究から予想されていたよりも有意に大きなリチウム同位体分別が,沈み込み帯マントルで起こりうることが示された.
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上部マントルにおけるホウ素循環経路の解明:実験岩石学的アプローチ
研究課題/領域番号:18740346 2006年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
太田 努
配分額:2980000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:180000円 )
地球という惑星の大部分はマントルで占められている.このマントルの活動によって形成された表層の物質は,プレート運動によって沈み込み帯からマントルへと戻っていく.その際,ある特定の化学成分は表層物質に濃集し,沈み込む際には表層物質から取り去られてマントルには戻ってこない.このような物質循環によって地球は進化してきた.本研究では,表層物質の沈み込み過程を高温高圧実験によって再現したり,マントル深部へ沈み込んだ岩石の化学組成を分析しりして,表層物質がマントル深部へ沈み込んでいく際に,ホウ素(およびリチウム)という元素がどのような挙動をするのかを明らかにし,地球マントルの化学進化の理解に貢献した.
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Chemical evolution of Earth through material differentiation at subduction zone
2004年
Cooperative Research
資金種別:競争的資金
With approaches from experimental petrology and petrography on natural samples, we attempt to quantify a series of parameters on chemical interactions between fluid and crustal and mantle materials at depths of subduction zone, and to decode chemical evolution of Earth
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沈み込み帯における物質分化と地球の化学進化
2004年
共同研究
資金種別:競争的資金
実験岩石学的手法,および天然試料の記載岩石学を通じて,プレート沈み込み帯深部で進行する流体ー岩石間の化学的相互作用を定量化し,地球の大部分を占めるマントルの化学進化過程を明らかにする.
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中生代の南太平洋スーパープルームの活動と環太平洋型高圧変成帯の上昇
研究課題/領域番号:97J04187 1998年 - 1999年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
太田 努
配分額:2400000円 ( 直接経費:2400000円 )
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広域変成帯の形成・上昇と太平洋型造山運動
1996年 - 2003年
共同研究
資金種別:競争的資金
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Regional metamorphism and Pacific-type orogeny
1996年 - 2003年
Cooperative Research
資金種別:競争的資金