氏名
高橋 一男 (タカハシ カズオ)
TAKAHASHI Kazuo
高橋 一男 (タカハシ カズオ)
TAKAHASHI Kazuo
環境生命科学研究科
環境生命科学研究科・昆虫生態学ユニット
生態学、遺伝学、進化生物学、昆虫学、学位(地球環境科学)
准教授
基礎研究
進化的キャパシター遺伝子の探索と機能の解明:遺伝的変異は、変動する環境における生物の適応に不可欠であると考えられてる。生物の自然集団における遺伝変異の維持機構は長年研究されて来たが、近年、進化的キャパシターの果たす役割が注目されている。進化的キャパシターは、遺伝的・環境的撹乱を緩衝し、突然変異を隠蔽変異として集団中に蓄積する機能を持つ機構と考えられている。現在のところ、進化的キャパシターの候補遺伝子と考えられているのは、分子シャペロンの一つであるHsp90のみである。本研究では、新規の進化的キャパシター候補遺伝子の探索と、その機能の解明を目指して研究を行っている。
基礎研究
寄生蜂と寄主の相互作用の解明:昆虫の中には、捕食寄生者と呼ばれるグループの昆虫が存在しており、その種数は地球上の全生物種の10%以上を占めると言われている。捕食寄生者は、宿主を死に至らしめるため、害虫管理における天敵防除にも有効な生物と考えられている。本研究では、ショウジョウバエと、その捕食寄生者である寄生蜂の関係に着目し、ショウジョウバエの寄生抵抗性、寄生蜂の寄主選択や産卵行動などについて、生態学的な意義の評価や、遺伝基盤の解明を目指して研究を行っている。
Kazuo H. Takahashi. Multiple Capacitors for Natural Genetic Variation in Drosophila melanogaster, Molecular Ecology. 22: 1356-1365. 2013
Kazuo H. Takahashi, Yasukazu Okada, Kouhei Teramura. Deficiency screening for genomic regions with effects on environmental sensitivity of the sensory bristles of Drosophila melanogaster. Evolution, 66, 2878-2890. 2012